歴史散歩 ぶらり長町 ポイント8:十八夜観世音堂
広瀬橋からすぐ、長町一丁目にある常蔵院十八夜観世音堂は、仙台三十三観音信仰の第32番札所で、地元では「おかんのんさん」と呼ばれ親しまれています。
その歴史は古く、天台寺門派による11世紀半ばの開基とされています。当初お堂は根岸(今のロイヤルホストの辺り)にありましたが、1697年に伊達家の菩提寺として大年寺が建立されたことで、長町宿の鬼門に当たる現在地に鬼門除けとして移されました。明治5年に修験道(しゅげんどう)が禁止されるまで、修行を積んだ山伏(修験)による加持祈祷の寺として敷地も今より広く、民間の出羽三山参り(山岳信仰)の普及と共に地元民から厚い信仰を受けました。敷地には今も湯殿山などの石碑がたくさん残っています。
現在のお堂は1789年の建築といわれ、欄干の擬宝珠(ぎぼし)の銘も当時のものです。
本尊は勢至観音像で慈覚大師の作とされています。もともと一本の木から作られた三体の観世音(名取の三観音)の一つで、残りの二体は日辺の両全院(第26番札所)と四郎丸の大善院(第31番札所)に安置されています。
十八夜観音の名は、旧暦の18日の夜に月待ちの講が開かれたことに由来します。講は、女が中心の宴会ないしはおしゃべりを楽しむ息抜きの場だったようです。今も地元の守り本尊的存在として親しまれているのは、ここに理由がありそうです。
毎年5月3日がお祭りの日で、町内会と商店街が協力して子供みこしも繰り出され、賑わいを見せています。