歴史散歩 ぶらり長町 ポイント21:普門寺跡
長町1丁目商店街のハサマ理容店の脇の細い路地(イラスト参照)を西にまっすぐ入って行くと千葉歯科医院があり、さらに行くとT字路に突き当たります。昔この辺りに普門寺というお寺がありました。この路地は、昔は普門寺への参道でした。藩政時代の絵図を見ても、長町の宿に普門寺がはっきり描かれています。長町宿の中ほどに位置していたので別名「中の寺」とも呼ばれていました。
明治5年の学制発布の翌年、寺子屋だった普門寺に小学校が開校しました。現在の長町小学校です。生徒の数はどんどん増え続け、明治14年に小学校は今の七十七銀行長町支店の斜め向かいに移転、さらに大正12年に現在地に移ります。長町小は普門寺で生まれ、21世紀となった今年、128歳となります。
普門寺がいつ廃寺になったのか定かではありませんが、大正15年の仙台市の地図には墓地としての記載があります。普門寺そのものの資料を見つけることは現在困難となっていますが、ここで伊勢参りなどの通行手形が発行されていたことはわかっています。境内の大きな桜の木の下に、願い事がかなえられることで信仰の多かった地蔵様が立っており、この地蔵様はその後根岸の宗禅寺に移されたそうです。明治時代は寺は長町の子ども達の遊びの集合場所だったと土地の古老が記録を残しています。
明治維新で仙台藩典医の禄を離れ、長町で医業をやるかたわら普門寺で寺子屋を始めた岡部安道先生の弟子たちが、先生を偲び明治26年に建てた弔魂碑(碑には弔の字を避けて同音の吊の字を当ててある)が蛸薬師の境内に残されています。筆者の主治医だった岡部英一医師(故人。昨年99歳で逝去。長町1丁目で開業、現都沢医院)が安道の曾孫であることを最近知って、人の縁(えにし)を感じずにはいられません。