歴史散歩 ぶらり長町 ポイント19:枡形道路
広瀬橋たもとの交差点そばの宍戸釣具店前の道路は不自然に広くなっていますが、これはもともとこの道路が直角に2回曲げて作られた変形道路だったなごりです。枡形道路というのは、道路が筋違いに作られたために矩形の地形ができたので、その形状から名付けられました。こうした道路は若林区の穀町にも見られます。
昔、広瀬橋(永町橋)は仙台城下への入口として防衛上の重要地点であり、現在のように広瀬橋から長町の本通りまでまっすぐの一本道ではなく、道路がわざと曲げて作られました。敵が攻めて来たときにその勢力を弱めるのが一番の目的だったと思われます。通る側からすると確かに歩きにくく不便です。そして長町の本通りに出たところには木
戸が置かれました。
以前宍戸釣具店の向かいには老舗の南部家そば店(都市計画による河畔通り新設のため収用により現在は長町モールの向かいに移転)があり、藩政時代は長町で2階建てが許された数少ない家のひとつだったとのことです。橋の近くの家屋はいろいろ制約があったようです。
新しい道路やビルができ、昔の道路もその影響を受け形状が変えられ、場合によっては道路そのものが消えてしまうこともあります。長町の枡(升)形道路は危ない目にあいながらなんとか命脈を保っていますが、この地点に建てられた2基の道標とともに、長町に残る数少ない藩政時代の遺構であり、この地形を将来もぜひ保存してもらえたらと
願っています。
文・内田貴和(長町歴史の会)
資料提供・南部家そば店
枡形道路のいま

枡形道路をライオンズマンション前から撮影したものです。右側の車が停まっているところが宍戸釣具店です。正面が国道4号線、左手が河畔通りです。現在国道4号線はまっすぐ広瀬橋に入っていますが、かつては写真手前側にクランク状に曲がって城下方面へと向かっていました。
上のイラストとは逆方向のアングルになります。確かに宍戸釣具店前が不自然な線形になっています。住民運動によって里帰りした2基の道標は写真撮影地点の後側にあります。枡形道路と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。