歴史散歩 ぶらり長町 ポイント1:蛸薬師 



 最初のポイントは長町4丁目にある蛸薬師。

 見事なイチョウの木があるこの神社の境内は、近頃では空き地の少なくなったこどもたちの格好の遊び場です。ところでちょっと変わった蛸薬師という名前は一体どこからきたのでしょう?

 言い伝えによると、神社の斜め向かいにある長町病院の辺りは昔は大きな池で、ある時洪水があって、水が引いたあとを見ると、池の中の島に薬師様の像が蛸に吸い付かれて流れ着いていた。それで池の西側にお堂を建てて薬師様を安置し、町内で毎年5月1日にお祭りをすることになった、ということです。 手のイボで悩んでいた若い娘が、蛸断ちをして願をかけたところ、すっかりきれいに直ったことが世間に広まり、イボにご利益があるということで土地の人々の信仰を集めました。

 今でもお堂には蛸の絵馬がたくさんかけてあります。また、この池の周りに生えていた片葉の葦は赤ん坊の夜泣きに効き目があったそうです。

 お堂の裏の方には、大小さまざまの石碑が建っています。江戸時代の輸送や農耕の手段であった馬を供養するための馬頭観世音が目を引きます。南無阿弥陀仏と彫ってある名号搭には道標を兼ねたものもあります。以前はそれぞれの街道の分岐点にあって、境内に移設されたものがいくつか見られます。元の設置場所を推理してみるのもおもしろいですね。