夏の心得


      長町病院小児科 渡辺 瑞香子


 食中毒にご注意

 つい最近、或るスーパーの店頭で売っていた「イカのポッポ焼き(らしい)」で集団の食中毒が発生してしまいました。原因となった菌は腸炎ビブリオだそうです。夏になって海水の温度が高くなると増えてきます。普通は魚介類を生で食べたときに入る菌なのですが、イカを入れていた箱が汚染されていたのかどうか。ポッポ焼きでの集団発生は珍しいと思います。ビブリオに限らず夏場は食中毒が多く、サルモネラやキャンピロバクターと言う菌による例も出ています。新鮮ならば食中毒は起きないという誤解があるのではないでしょうか。日本に輸入されるヒナはサルモネラ菌に高率で汚染されています。そこから産み落とされる卵も汚染されてしまいます。卵はぬれた状態で時間が経つと殻についた菌が中に入っていくそうです。キャンピロバクターは肉についています。焼き肉やバーベキューは火が十分通らないうちに食べてしまいがちなようで、食中毒を起こすことがあります。肉を切った包丁やまな板は熱湯をかけてよく洗うなど注意が必要です。


 戸外での遊び

 また戸外で遊ぶときは時間帯に注意して下さい。紫外線は10時から14時頃までがピークになります。オゾン層の破壊により紫外線の増加が心配されています。3種類の紫外線のうち、UVBは皮膚や目に影響を与えることが心配されます。目への影響として、急性のものでは光線角膜炎、慢性のものでは白内障などがあります。ふだん日光を浴びていない皮膚は少ない紫外線量でも皮膚炎を起こしやすいのです。つばの広い帽子をかぶって服はタンクトップよりも袖のあるもの、色はどちらも白っぽいものが良いでしょう。敏感肌でなければサンスクリーンを一緒に使うと効果的です。紫外線は将来の皮膚癌の原因になると言われます。皮膚の老化も進みます。今は赤ちゃんにも日光浴は勧めていません。ビタミンDは食べ物から十分摂れるので、くる病の心配をする必要はないからです。


 危険な車中

 小児、特に乳幼児では、汗腺の発達がまだ十分ではありません。1歳未満では、腎臓でおしっこを濃縮する能力も大人ほどではありません。脱水状態になりやすく、腎臓の働きも落ちやすいのです。「のどが渇いた」と言われる前に水分の補給をしないと具合が悪くなることがあります。外出するときは、必ず麦茶などを持っていきましょう。幸いにして今年は聞きませんが、毎年車の中で待っていて熱射病のため亡くなるお子さんのニュースが流れます。外の気温が27−28度程度でも、晴れた日の車内はたちまち40度、50度と温度が上がってしまいます。真夏なら70度近いのです。ちょっとだけならと思っていませんか。チャイルドシードの金属部分でやけどした例もあります。ご用心、ご用心。