★子育て★連載コラム

第48回 性教育あれこれ
坂総合病院 渡辺 瑞香子
突然の質問
長男が小6の時のことです。突然「バイアグラって何の薬?」と真顔で聞いてきました。TVや新聞で盛んに取り上げられた時期です。さて、何と答えたものでしょう。母親の私に抵抗もなくそんな質問をするということは、まだ彼が体感としてわかっていないことを説明することになるのです。少し考えて「男性の不妊の治療薬」と答えておきました。二次性徴も始まらず、風呂上りに裸で走り回っていた頃の話です。その後同じ質問は繰り返されることはなく、今は当然真実を知っているはずです。声変わりをした頃から、一種照れのようなものを見せるようになり、赤ん坊の頃からの密着するような関係はいつしか終わりを告げたわけです。
娘との関係は
それに比べると娘との関係は友だちのようなものです。だいぶ前にエイズで亡くなった有名なボーカリストが「ゲイなの?バイなの?」と娘。「そこまで知らない。」と私。ずいぶんな会話のようですが、深い意味はないのです。情報を得るのには苦労しませんから、言葉だけ先行しているのでしょう。今は女の子の言動も大胆なようで、次男は学校でうんざりすることもあるようです。時と場所をわきまえているなら、まあ良しとしましょう。ドラマのラブシーンなども、描写によっては一緒に見ていることもあります。
正しい知識を
さて、性教育をどうするかについて話題になっています。厚生労働省の「コンドームの使い方は15歳までに知るべきだと16〜49歳の人の約6割が考えている。」という調査結果の影響?「寝た子を起こす」ことはないという意見もまだまだ根強いようです。医療人としては、正しい知識がないままでは将来が不安です。10代からの性体験は、クラミジアを始めとする性感染症と、妊娠・中絶の繰り返しを意味しており、先々不妊や子宮外妊娠などの原因を作ることになりかねません。今の時代に、中学生ともなれば、「寝た子」などどこにいるのだろうというのが実感です。自分はいつ頃から知識があったかと考えてみると、中学生の頃だったように思います。本などから知識を得ていました。誰かに確かめてみることはなく、知っている素振りを見せなかったところは今時の子どもとは違いましたが。
性教育をどうするか
我が子に具体的に教えることはないと思いますし、先生が教えるのも何か違うような気がします。子どもたちが悩んだ時に、相談に乗ってくれる信頼のおける大人が近くにいるのが一番いいのだと思います。一方、大人たちが性に対して不道徳であることが一番悪い影響を与えると思います。長男の話をもう一つ。部屋に散乱したプリントに紛れて、ピンクチラシの類が見つかったことがありました。郵便受けに入っていたものを「お母さんに見せてはいけない」と思って隠しておいたらしいのです。男の子が母親に持つイメージは清いものであるらしく、親の不倫などは修復不能な傷を負わせると感じた出来事でした
