大正も終わり頃、ある農家の第3子として生まれたあなた。でも間もなく悲劇が訪れました。
あなたと家族らしく暮らした期間はあまり長くはありませんでしたね。
離婚した後は時々訪れる人でしかなくて…。
普段は子供用の雑誌を買ってきてくれたり、興味深い話をしてくれたり、楽しいおじさんでした。
でもお酒が入ると別人。まるで嵐がやってくるみたい。
酔っ払っていると、大声で歌ったり、怒鳴ったり。
何がきっかけで怒り出すかわからないので、私はいつも息を詰めていました。
そんなにお酒っていい物ですか?煙草も確かに健康に害があるでしょう。
でもお酒は家族の心も破壊します。自分で稼いだお金だけでは足りず、お姉さんからもらっていたでしょう?
子どものささやかなお小遣いまで持って行っちゃって。
あなたが亡くなったあと、会社の同僚の方たちから聞いた話は、家族が知っている姿とは別のものでした。
信頼されていたのですね。女性にももてたのですね。
私の印象は、中西礼さん著作「兄弟」のお兄さんに似た生き方の人でしたが。
家庭によりどころを求めることができず、会社が倒産した時も結局戻っては来ませんでした。
ならばなぜ結婚したのですか。
恋愛でもないのに。不幸の種をまいただけ。10歳以上も年下の母を守ることもできずに。
ずっと母親代わりだったお姉さんにも面倒をかけ続けて。
もしも、親子でなければ、あなたともっと楽しく話せたと思っています。今年で七回忌になりましたね。