★子育て★連載コラム   第25回

旅立ちの時

                            坂総合病院  渡辺瑞香子

 

 1つ1つ

 少し肌寒さの残る日、次男が小学校を卒業しました。これで子ども会活動ともお別れです。
交通当番、プール当番、廃品回収などの手伝いもなくなるのです。
子育ても新しい段階になります。ホッとすることもありますが、母親としては少しさびしいです。

卒業式の前に、次男からの手紙を受け取りました。「中学生になったら、もうベタベタしないからね。」
そうだね、まだ子どもだけど、ちょっとだけ大人の入り口。

式の間ひときわ小柄な次男を見つめながら、いろいろなことを思い出していました。
よく高い熱を出したね。ひきつけも何度か起こしたね。それでも元気に育ってくれました。
お母さんはお茶目で優しい君が大好きです。

 「愚かな」行為

 12年前、君が生まれて間もなくのこと。イラクで「湾岸戦争」がありました。
まだ産休中だったお母さんは、TV の爆撃シーンに、思わず君を抱く手がふるえていました。

愚かなことが繰り返されて、君たちが大人になった時に、安心して暮らせる地球にできるのでしょうか。
「君が兵隊に行ったりしたらいやだな。君が人を殺さなければならなくなったらどうしよう。」
同じようなことを思ったお母さんはきっとたくさんいたでしょう。
幸い長い期間ではなかったけれど、犠牲になった方は少なくはなかったでしょう。戦争なんて…。
 
 でも3月20日、再び同じ地で戦争が始まりました。アメリカの一方的な攻撃と言った方が正確でしょうか。
どんなに新聞を読んでも、TVのニュースを聞いても、戦争をしなければならない理由がわかりませんでした。

「フセイン大統領や周りの人をやっつける」つもりらしいけれど、たくさんの一般市民が残っています。
そこで兵士同士の戦いが始まったら、その人たちが犠牲になるのです。子どもたちも。

国連でいろいろな国の人たちが戦争を止めようとしました。
世界中でたくさんの人たちが戦争反対のデモや運動をしました。それでもアメリカを止められませんでした。
日本の国民は7〜8割の人がこの戦争には反対していました。

それでも政府が協力することを止められませんでした。力が足りなくてごめんね。


 本当は知っている

 いつか、争いのない地球にしたいですね。君たちが大人になって社会で活躍する頃になったら、変えてください。
6年生が卒業式で歌ってくれた歌、すてきでしたね。「旅立ちの時〜Asian Dream Song〜」(ドリアン助川作詞)より

「争いの日々を乗り越えて 青空に歌う時 かけがえのない命のはてに 名もない花を咲かそう 今 
地球(ここ)に生きる者よ 旅立ちの勇気を…」




   

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