★子育て★連載コラム
第23回

名前は呪?
坂総合病院 渡辺瑞香子
美しい詩
ドラマ「3年B組金八先生」の中にこんなシーンがありました。
「(名前は)父と母が未来へ託した希望です。世界で一番短い、しかし一番美しい詩です。」
金八先生が卒業生の一人一人にはなむけの言葉として「その子の名前の持つ意味」を語りかけるのです。
私はそのシーンがとても好きです。
子どもの名前をつけたときのことを思い出して見ていました。
学校で名前を書くのに苦労しないようにと、我が家の3人は全員簡単な名前です。
親なりの意味づけもあるのですが、どうやらあまり気に入ってないようです。
皆さんの家ではいかがですか?命名の本を買って、いろいろ悩まれましたか?
名前さまざま
毎年、年末になるとある生命保険会社が子供の名前のランキングを発表しています。
時代の空気をよく反映していると思いませんか?
仕事柄、毎日たくさんの名前と接します。なかなか読めない名前もあります。
最近「子」で終わる女の子にはめったに会わなくなりました。
漢字は音だけ借りて、一音一文字の名前が多くなりました。
ヒーローもののドラマやアニメの登場人物の名前もあります。
地球君と宇宙君にも会いました(読み方はご想像にお任せします)。
一番大変なのは、最近思い込みで名前を呼ぶと男女を間違うことが時々あることです。
型どおりのイメージに縛られてはいけないですね。
字の力あれこれ
こんなことを書くとあきれられるでしょうが、小児科を長年やっていると、大抵の医師には、
つけるのをためらう名や使うことを避ける字があるものなのです。
確率を考えれば気にすること自体おかしいのですが、たまたま、重い病気や病気がちのお子さんの名前にはどうしても敏感になります。
名前に託した親の気持ちが重荷になっている子どももいます。
名前を見たときに、親子や兄弟の関係が透けて見えるときもあります。因果な仕事です。
親と子でも?
またドラマの話で恐縮ですが、「陰陽師」安倍清明が、鬼と化した楽師漢多太と戦い、術を掛け合います。
本名を教えなかった清明は漢多太の術には掛かりませんでした。
「名前は呪」とはその時の清明の台詞です。
陰陽道の考え方は別として、確かにそうかもしれません。
名前には子どもが生まれるまでのいきさつ、家族の関係、親の気持ち、家庭環境など全てがこめられているとも言えます。
名前に託された親のメッセージは全て良いものとは限りませんから。
名前をつけた後、親として子どもとどう向き合っていくのか、試されますね。
