インフルエンザ再び
長町病院小児科 渡辺 瑞香子
今年もインフルエンザの季節
今年もインフルエンザの流行が始まりました。子供を受診させるお父さん、お母さんの中にも熱を出している方がいて、とてもつらそうです。今年宮城県で見つかっているのは、A香港、Aソ連、B型の3種類です。数年前から、インフルエンザの迅速検査ができるようになりました。のどや鼻を綿棒でこすって20分くらいで結果がわかります。まだ精度が十分でなくて、反応がうまく出ないこともありますが、症状だけで判断していた頃より経過の見通しが立てやすく、流行の兆しをつかむこともできてありがたいことです。
治療法にも変化
治療法も少し変わってきました。ウイルスを直接やっつける薬がいくつか出てきたことです。飲み薬が2種類、吸入するタイプが1種類です。飲み薬はA型のみに効くものと、A、B型両方に効くものがあります。薬を使うと、確かに熱は早く下がるようです。症状が出てから48時間以内に使わないと効果が落ちます。けれども耐性(効かなくなる)と副作用の問題があって、治療の主流になるかどうかはまだわかりません。抵抗力がなくて重くなりやすい方、家族にお年寄りや乳幼児がいる方を中心に服用していただくのが良いかと思います。
安静と十分な水分を取りましょう
第2回で、解熱剤とインフルエンザのことを取り上げました。インフルエンザの時に、強い解熱剤を子供に使わないように通達が出て1年が経ちました。やはり脳炎で亡くなる方は減っているようです。解熱剤には病気を治すまでの力はありません。頭痛や熱のために眠れない時など、体を楽にするために使う程度にとどめてほしいものです。熱は、2日〜7日続くことが多く、初めて感染する型の時など二峰性になります(一度下がって再び上昇する)。安静に努め、十分な水分をとることが大切です。室内は 気温18〜20℃、湿度60〜70%に保つことを大体の目安にしましょう。
インフルエンザ予防法
また一般的な予防法として外出後手はよく洗いましょう。ウイルスの皮膜に脂質が含まれているため、石鹸を使うと効果的だそうです。うがいはお茶ですると良いと言われています。成分のカテキンに殺菌作用があるからです。マスクはウイルスを通してしまいますが、気道に湿り気を与える効果があります。また首を冷やすと気道の血管が収縮して繊毛の働きが落ち、ウイルスが進入しやすくなるので、マフラーを使用するのもよいでしょう。
インフルエンザの歴史
インフルエンザの歴史は古く、ヨーロッパでの元も古い記載は紀元前412年のヒポクラテスらによるものです。語源はイタリア語の「星の影響」で16世紀にはすでにその名で呼ばれていました。日本でも平安時代には流行をうかがわせる記載があります。21世紀に入っても、"制圧"するには至っていません。とは言え、あまり恐れる必要はないと思います。普通の体力がある方は、無茶をしないで養生すれば治るのですから。
(子育てまざらいん第2回「インフルエンザをめぐって」もあわせてご覧下さい)